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少し前に見たのですが・・・
モタモタしているうちに、埼玉の酔仙さんに先を越されてしまった。 酔仙さんは、あまり映画は見ないとおっしゃってたのに・・・ ひょっとして、サユリスト? アンクルの前後の世代には多いのです・・・吉永小百合ファン、“サユリスト” 東映創立60周年記念のたいそうなプロジェクトで製作された作品だそうです。 主演は、高倉健と並んで日本を代表する大女優、その吉永小百合・・・ となると、先に公開された高倉健の『あなたへ』に何となく重なって来ます。 お話は、『二十四の瞳』をサスペンスにしたらこんな風になります!って感じかな? 離れ小島の分校にやって来たやさしい先生は、吉永小百合のイメージそのものです。 かつての教え子(森山未來)が殺人を犯した、という報せを受ける元教師の女(吉永)。 今は、図書館司書として定年を迎えた彼女は、ふと20年前に離れた島へと向かう。 それをきっかけに、その時その島の分校で起きた悲劇の真相が、彼女と生徒6人の視点を通して次第に明らかにされていく。 それぞれの思惑が、現在と20年前を往き来しながら語られる、という仕掛けになってます。 先にここで評した『あなたへ』と較べれば、それなりにまとまった作品だとは思います。 ただ、ドラマとしての薄っぺらさは拭いきれません。 いかにもご都合主義なエピソードの不自然さには、かなり違和感を覚えます。 たとえば、小池栄子とその不倫相手の妻とのシーン。 あまりにも取ってつけたみたいなタイミングで、出来すぎやろ!ってツッコミたくなる。 また、20年前の死亡事故と現在の殺人事件という重い出来事がポイントになるのですが、普通に考えてそれほどの出来事の経験なら、もっと暗く重くとり返しがつかないほど当事者たちの奥底にのしかかるはずなのに、その悲痛さがあまりに軽すぎます。 さらに、ラストはどうしてもこうしないと感動のクライマックスに至らないからなのだろうけど、そのリアリティのなさにはシラけてしまいました。 感動的な “ウソ” より、汚く醜くあっても “本当” を見たいと、アンクルは思うのです。 さいはての厳しくもやさしい光景を映し出す、木村大作のカメラが美しい。 40歳の姿にはチョッと無理があるし、不倫のにおいが似合わない難点もあるけれど、「吉永小百合」の持ち味も生かされている。 期待の「満島ひかり」はもうひとつだったけど、彼が主役と云ってもいいほど「森山未來」が素晴らしい。 それに、森山のじいちゃんを演じた「福本清三」の存在感が、チョイ役ながらも見事な光を放つ。 それなりに見所は多いのに、全体となると・・・? というのが素直な感想です。 シネコン向けの作品の、このあたりが限界かな?と感じます。 よくあるテレビ・ドラマと何ら変わりない。 正直云って、わざわざ劇場に足を運ぶほどではない、DVDで充分だと思える作品でした。
by anculucinema
| 2015-03-03 19:55
| 邦画
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