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久々の日本映画を・・・
浅田次郎の原作による<柘榴坂の仇討>・・・ 桜田門外の変にまつわる仇討をめざす男と、その仇の男との13年間が、江戸から明治へと移り変わる激動の時代を背景に描かれます。 江戸城桜田門外で大老の井伊直弼が襲撃され殺害される。 主君を守り切れなかった彦根藩近習・志村金吾。 切腹を願い出るが聴き入れられず、必ず仇を討てとの藩命が下される。 やがて、明治の世になり時代は大きく変わるが、何ひとつ変わらず仇敵を捜し続ける金吾。 一方、その一人水戸浪士・佐橋十兵衛は直弼暗殺後、手傷を負ったため自害が叶わず、車引きに身をやつしひっそりと身を潜めていた。 しかし、ついにその仇を捜し当てた金吾が、十兵衛の引く人力車に乗り、柘榴坂へと差しかかる。 だが、まさしくその日に仇討禁止令が布告されたのだった。 サムライとしての「矜持」がテーマだと思いますが、それがありきたりでちっとも胸に響いては来ませんでした。 劇場まで足を運ばなくても、テレビの時代劇で充分の内容だと思います。 たとえば、クライマックスへの序奏となるシーン・・・ 警官となっている金吾の友人がその窮状を見かねて、かつて上司だった元警察署長に彼を助けるよう嘆願します。 署長は人の生き死にのありようを赤い椿の花になぞらえて金吾に諭し、それがクライマックスの伏線となるのですが・・・ あまりの陳腐さにシラけてしまいました。 ただ、まったく評判にはならなかったようですが、その警察署長を演じた藤竜也の演技が、きびしさの内にユーモアやあたたかさを滲ませて、心に残ります。 さらに、仮にめでたく本懐を遂げたとしても金吾は切腹、その陰にあって十数年の生活の労苦を一身に背負ったあげく、そのあとを追わねばならない金吾の妻こそ、憐れの極み!・・・ そのような妻子の哀しみを顧みることもなく、ただ守り通さねばならないサムライの「矜持」などナンボのものか?・・・ そう云い放つ警察署長の妻。 そのセリフの方がはるかに心を揺さぶりました。
by anculucinema
| 2015-11-16 23:56
| 邦画
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