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直木賞を受賞した葉室麟のベストセラー小説を、『雨あがる』 『阿弥陀堂だより』 でおなじみの小泉堯史監督が映画化した時代劇ドラマ・・・
「柘榴坂の・・・」に続く時代劇です。 郡奉行だった戸田秋谷は、藩主の側室との不義密通および小姓を斬り捨てた罪で切腹を仰せつかる。 ただし、その実行は10年後とされ、それまでの間、藩の歴史である家譜を編さんし完成させるよう命じられる。 7年後、刃傷沙汰を起こしたものの、家老中根兵右衛門の温情により切腹を免れた檀野庄三郎が幽閉中の秋谷を監視するべくやって来る。 彼の役目は、家譜の編さんを進めるに当たり、その秘め事も知ることになる秋谷が、7年前の事件をどのように記すかを報告し、もし逃亡のそぶりあらば妻子ともども切り捨てる、というものだった。 はじめは秋谷に疑いの目を向ける庄三郎だったが、編さんが進む家譜と、『蜩(ひぐらし)の記』と名づけられた秋谷の日記に目を通すうち、偽ることなくありのままを書き記し、切腹が迫りつつあっても自らの立場に誠実に向き合い、日々を大切に生きるその姿に次第に感銘を受けはじめる。 そして7年前の不義密通事件に疑惑を感じ、事の真相を追う中で、さらに彼の人間性に魅せられていく。 ついに庄三郎はその真相にたどり着き、事件の謎を解く文書を入手する。 そこには藩を揺るがすような内容が記されていた・・・ とても美しい映画でした。 四季折々の移ろい、人々の所作、そして人としてのありようなど・・・ 庄三郎が調べる不義密通事件の謎解きを縦糸に、彼と秋谷一家の心の交わりを横糸に織り上げながら、人と人、人と地域の絆が深まるようすが、サスペンスを交えながら静かに描かれます。 黒澤明の助監督だった小泉監督はじめ、ほとんどのスタッフがかつての黒澤組。 何と云っても、その妥協を許さない、ていねいな映画づくりがさすがです。 「ただ、ありのままに、正直に生きたい!・・・」 そんな想いがまっすぐに伝わって来ます。 ある意味これも「矜持」と呼べるのでしょうけど、必要とあらばまずは自分をこそ無きものにしようとする生き方は、あらゆる犠牲も顧みない偏狭なサムライの「矜持」などをはるかに超え、人として目ざすべき気高さの極みなのだと感じました。
by anculucinema
| 2015-11-18 10:49
| 邦画
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