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話題の映画です。 村上春樹の原作を「青いパパイヤの香り」のトラン・アン・ユンが監督した作品。トラン・アン・ユンはベトナムの人ですが、フランス的な叙情を感じさせる映像美で有名な監督。 確かに、たびたび登場する療養所近くの草原の描写などにその片鱗がうかがえます。 1969年の騒然とした雰囲気を背景に、主人公ワタナベが繰り広げる直子と緑というふたりの女性との葛藤の物語。 直子は自殺した親友の恋人だった女性、緑は直子に想いを深めるワタナベに独特の個性で近づいてくる女の子です。 この緑を演じる女優さんがなかなかいい。存在が際立っていました。 結局、ワタナベとの葛藤を繰り返しても直子は喪失から立ち直れず、自ら命を絶ちます。 直子を失ったワタナベは緑との再生に賭けようと決意するお話です。 おそらく「喪失と再生」をテーマにしているのだと思います。 しかし、見終わったあとには喪失感ばかりが漂う印象です。 というのも、登場人物の誰ひとりとして、再生のエネルギーを感じさせなかったからです。 きっとこのあと、ワタナベ自身も喪失から逃れられないだろうと暗示されているように感じました。 何故かと考えると、生きることにつきまとう生々しい生活感がまるでないからです。 うつろな絵空事にしか見えないのです。 気になったのが、独特の持ってまわったようなセリフまわし。 これは村上春樹の原作でもそうでしたが、お互い問われていることに応えずにはぐらかすような会話の描写。 人生をストレートに受け止めず、どこかシニカルで他人事のように捉えているような感じがして、あまり好きにはなれません。 一方で、それに伴う空しさもみんなが感じはじめた頃でもありました。 そんな気分が背景にあるのでしょうか? 何不自由なく暮らせる人たちの、それでも埋められない欠落感を感じました。 何もかもすべてを手に入れたとしても、それは何も得ていないということ・・・ そんな気がしました。
by anculucinema
| 2014-09-18 17:14
| 邦画
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