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ケン・ローチと並びイギリスで高い水準の映画を撮り続けている名匠マイク・リー。
市井の人々の悲喜こもごもを生き生きと描いてきた彼の最新作<家族の庭>は、ひとつの幸福な家庭とそこに集う人々との明暗を、時にユーモラスに、時にシニカルに描き出した味わい深い人間ドラマです。 絵に描いたような幸福を手にした、彼らの春夏秋冬がメインに描かれます。 大きな事件が起きるわけでもなく、人々が会話をしながら食事をする、ただそれだけの淡々とした場面が続くのですが、見終わったあと登場人物についていろいろと考えさせられます。 たとえば、一年を通じふたりに招かれてよく訪ねて来るジェリーの同僚のメアリー。 彼女は男運に恵まれない自分を嘆いては落ち込み、タバコとワインが手放せない。 明るく無邪気に見えるものの、もう若くはない自分を客観視できず、感情のままに行動しては周囲とのズレを生み、ますます孤立を深めていくちょっと困ったおばさん。 他にも夫妻の旧友ケン、トムの兄ロニーやその息子カールなど、誰もがいびつな現実を生きていて、どこか居心地の悪さを感じさせます。 幸せな夫婦とは対照的です。 一方、メアリーたちはどこか不器用で、自らの立ち位置をはかることが出来ず、周りになじめない孤独感を抱き、ますます苦悩を深めているように見えます。 ある時、ジェリーはメアリーにひと言、厳しく釘を刺します。 ・・・自分の現実には自分でキチンと責任を取らなくてはならないのよ!・・・ 彼らはそれが出来ないゆえに、自ら苦しみを招いているのです。 でも、これって我々の身近でもよく目にする光景じゃないの?と、けっこう身につまされました。 世の中は決して自分の思うようにはならない。 そして、自分の人生もまた必ずしも自分に対してやさしくはない。 ただ、それをその通りそのままに受け入れることこそ、実は幸福な人生への近道なのではなかろうか?と、そんな気がしました。 “おもしろきこともなき世を 面白く・・・住みなすものは 心なりけり” と、いうことです。
by anculucinema
| 2014-11-16 00:12
| 洋画
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