フォロー中のブログ
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
2023年 12月 2023年 09月 2023年 06月 2022年 09月 2022年 05月 2022年 03月 2021年 11月 2021年 09月 2021年 06月 2021年 04月 more... 検索
最新のトラックバック
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
外部リンク
ファン
その他のジャンル
|
奥田瑛二の長女で映画監督の安藤桃子が、自身の介護経験をベースに執筆した小説を映画化。
妹の安藤サクラが主演を務めます。 ある事件に巻き込まれて職も住むところもすべてを失くした介護ヘルパーが、生きるため、半ば強引に押し掛ける在宅ヘルパーを始めたことから巻き起こる騒動を通して、孤独な老人たちとの触れあい、その心のつながりを浮き彫りにします。 <0.5ミリ>とはそのために歩み寄るべき心の尺度を表わしています。 介護ヘルパーのサワは「おじいちゃんが亡くなる前にいっしょに寝てあげて!」という派遣先の家族から思いがけない依頼を受ける。 ほんの添い寝するだけの約束だったが、それがとんでもない事件に発展してしまう。 そのせいで職を失い無一文となって困窮したサワは、町で見掛けた何となくワケありの老人を見つけては、頼まれもしないのにその家に押しかける在宅ヘルパーをはじめるのだが・・・ 最初の事件の発端となったエピソードの顛末が、ラストにからんで来るという構成になっています。 そして、その間に挟まれた押しかけ介護のそれぞれのエピソードには何の関連性もありません。 それぞれ独立したお話として展開します。 でも、最初と最後のつじつまはとりあえず合うので、収拾がつかなくなって欲求不満におちいる危険性は何とか回避されます。 家に押しかけては勝手に在宅ヘルパーになってしまうサワは、とても厚かましい女性のように見えますが、実はとても気のいい働き者です。 介護だけでなく掃除、洗濯、炊事などの家事をテキパキとこなします。 しかもそれだけでなく、孤独な老人たちの心をなぐさめる何とも不思議な力を持っています。 はじめは迷惑がっていたジィちゃんたちも、次第にくつろぎの表情を見せ、やがて心から「ありがとう」と云うまでになります。 彼女の存在が、限りなく「死」に近づいていたジィちゃんたちに、再び「生」の輝きをもたらすのです。 老人介護を社会問題としてことさらに追い求めようとしているワケではなく、また主人公のサワもお相手のジィちゃんたちも、魅力的ではあるけれどどこか現実感にはとぼしい。 ただ、ある日どこからともなくやって来て人々に幸せの風を吹きかけ、そしてまたどこへともなく消えて行く。 そんな彼女の佇まいが・・・ そう、つまりこれは宮沢賢治の『風の又三郎』に似た寓話なのだと思えば合点がいきます。 のらりくらりとしたとりとめのない印象なのに、3時間強の上映時間を苦痛に感じさせない・・・ とても不思議な映画でした。
by anculucinema
| 2016-03-01 15:54
| 邦画
|
ファン申請 |
||