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数々の映画賞受賞の経歴を持つ阪本順治監督が、15年ぶりに『顔』の藤山直美を主演に迎え、団地に越して来た夫婦にまつわる噂が巻き起こす一大騒動を描きます。
大阪近郊にある、古ぼけた団地。 昭和の面影を残すその一角で、山下ヒナ子は夫で元漢方薬局店主の清治とひっそりと暮らしていた。 ふたりは半年ほど前に店を閉め、引っ越してきたばかりで、腰は低いがどこか世を捨てた雰囲気に、住民たちは好奇心を隠せない。 そんなある日、些細な出来事でヘソを曲げた清治が「僕は死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。 夫の姿が団地から消えても、淡々とパートに通い続けるヒナ子の言動に、隣人たちの妄想は膨らむばかり。 「もう殺されてると思う…」 一人がつい口にしてしまった言葉をきっかけに、団地を覆った不安は一気にあらぬ方向へと走りだし・・・(公式HP) 阪本組常連の岸部一徳、大楠道代、石橋蓮司などの実力派に、斎藤工などの若手俳優も配した豪華な布陣ですが、この作品はヒロインの藤山直美に尽きると思いました。 藤山直美の、藤山直美のための映画です。 はじめはオヤジギャグ炸裂のドタバタコメディとして始まります。 斎藤工が次々に放つ 「しばらく五分刈りでした(それも云うならご無沙汰やろ?)」・・・ 「効果きしめん」・・・ 「準備万端バルタン星人」・・・ などのボケギャグに思わずズッコケながら、それをまた絶妙の間で受ける藤山直美が、そのコメディエンヌぶりで楽しませてくれます。 ところが、団地内のうわさ話がエスカレートするにつれ、話はどんどんおかしな方向へと動き出し、ついにはありえない展開へと進んで行きます。 ラストは何と、SFか?はたまたスピリチュアルか?と思わせる映画になってしまうのです。 もうワケわからんハチャメチャなストーリーですが、何か違和感なく納得できてしまうのが不思議でした。 夫婦でカラオケの真似ごとをしているとき、ヒロインがふと小さな嗚咽を漏らすシーン。 この夫婦が漢方薬局を廃業してこの団地に来たのは、ひとり息子を事故で亡くした悲しみから逃れるためでした。 藤山直美がうしろ姿だけでそれを演じてみせる名場面です。 どこか古めかしいイメージの漂う「団地」とは、それぞれにキズを抱えた人たちが、あれこれと干渉もあるけれど互いに助け合う、いわば人情長屋です。 そこは哀しみと温もりが交錯する空間でもあるのです。 その哀しみと温もりが根底に流れているからこそ、この映画がハチャメチャなだけでは終わらないシュールな作品に昇華したのだと思いました。 それにしても、立て続けの上映にも関わらず毎回満席の盛況ぶり・・・ 今さらながらに藤山直美の人気の高さに驚かされます。
by anculucinema
| 2018-08-11 23:01
| 邦画
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