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スティーブン・スピルバーグが、1961年に映画化された名作ブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド物語」をリメイクした話題の作品です。
1950年代のニューヨーク。 マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功を求めて世界中から多くの移民が集まっていました。 しかし移民への差別、貧困に直面した若者たちは同胞の仲間と結束し集団をつくり、それぞれのグループは対立し合うようになります。 特にポーランド系移民の「ジェッツ」とプエルトリコ系移民の「シャークス」は激しく敵対し合っていました。 そんな中、ジェッツの元リーダーであったトニーは、シャークスのリーダーの妹マリアと運命的な恋に落ちてしまいます。 ふたりの禁断の愛は、否応なく周りの人々の運命を変えていくことになってしまいます。 おなじみ「ロミオとジュリエット」のお話を、ウエスト・サイドの移民の若者たちに置き換えたミュージカル映画です。 1961年に公開された前作は、ニューヨークの街中にカメラを持ち込み、これまで見たこともない歌と踊りを斬新な演出で繰り広げ、観る者を圧倒した革新的な作品でした。 当時まだブロードウェイもミュージカルもよく知らなかったこの国では一大ブームとなりました。 当時のタレントさんたちが、まるで判で押したように「ミュージカルを演りたい」と口を揃えていたことを思い出します。 高校生になって初めてのガールフレンドがこの「ウエスト・サイド物語」に心酔していて、いかに素晴らしいかを説いてくれるのを「ふ~ん」という思いで聞いていたことも、今は昔の話です。 今回の作品も前作を踏襲してしっかりと組み立てられている感じは伝わって来ました。 しかし前作を超えたかと問われると、残念ながらそれ以上でも以下でもない印象です。 前作のあの圧倒的な迫力に負けてはいなかったけれど、残念ながらそれを凌ぐことは出来なかったと云わざるを得ません。 かえって前作の存在感の大きさをあらためて際立たせる結果に終わってしまった、というのが正直な感想です。 ただ、前作では表立っては出て来なかった移民たちの置かれた格差の状況をしっかり描き込んでいたのはとてもタイムリーだし、社会的な視点を作品にしたたかに潜り込ませるところはさすがスピルバーグと唸らされました。 今作では俳優もそれぞれ北欧系とプエルトリコ系を採用してリアリティを持たせようとしたようですが、そのリアリテイが逆に作品を矮小化してしまったように感じたのは筆者だけでしょうか。 スピルバーグ初のミュージカル映画と銘打って、鳴り物入りでスタートした今作ですが、いつの間にか消え入るように終わってしまったのが、その辺りを物語っていたのかなと思います。
by anculucinema
| 2022-09-29 12:33
| 外国画
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